相続診断士の部屋

私たち相続診断士は、争う相族を減らし、円満な相続を普及する活動を実施しています。相続問題をタブー視せず、生前に家族で十分話し合い、円満に後世に想いを引き継いでいく社会創りのお手伝いをしています。その有効な方法の一つとして、笑顔相続ノートを推奨しています。

No.9 「地域共生社会」・「知縁社会」と云う考え方

相続診断士・ファイナンシャルプランナーの佐藤です。9回目の今回は少し趣を変え、地域住民との関わり方について、思うところを記載してみたいと思います。
先日、すべての人々が、”地域・暮らし・生きがい”を共に創り、支え合いながら自分らしく活躍できる地域コミュニティー、「地域共生社会」を実現することを目的とした、私が住んでいる市が主催する”地域サポーター養成講座”に参加してきました。
参加者は、大学生、中高年者、高齢者と幅広く、若者世代が持つ思考の柔軟さや行動力と、熟年世代の経験に基づく判断力や内省力がうまく調和し、大変有意義、且つ、楽しいひとときを過ごすことができました。

地域共同体的なコミュニティー機能が健在だった頃は、近所の、あるいは一族の長老的な物知りが、何かあればその都度親身に色々と世話をやいてくれたものでした。しかし、核家族社会が進展した現在、それは望むべくもありません。
私の事務所の冠名である「共生」と云う語には、そうした地域共同体的なコミュニティー機能が健在だった頃の様な、親身、且つ具体的なサポートをさせていただければ…、そんな思いが込められていますが、これは地域サポーター制度が目指す「地域共生社会」と共通の理念と言えると感じました。

現実問題として、自分達が暮らす社会の制度について、様々な疑問や悩みを抱えながらも、誰に聞いたら良いのかわからず、あるいはどうしようもないとあきらめ、自身で抱え込んでいる人たちも少なからず存在するのではないでしょうか?

そうした人達に出会ったら、相続診断士・ファイナンシャルプランナーとしてのの知識を活かし、少しでもお役に立てたらとの想いを益々強くさせられました。

昔ながらの血縁や地縁と云った濃密な関係でもなく、さりとて都市部に顕著な無関心、孤立指向とは全く異なる「知縁社会」、近過ぎず遠からずの風潮が、最も居心地が良いのかも知れませんね!

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相続診断士 ファイナンシャルプランナー BPOプランナー
 共生プランニング代表 佐藤 喜三男
<業務領域>
 相続診断・対策、ライフプランニング等、資産・生活設計全般のサポート
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 Webショップ運営  …他
 〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-34-5
        いちご東池袋ビル6F アントレサロン内
 携帯 :080(5450)6403
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No.8 相続が発生した時にやらなければならないこと

相続診断士・ファイナンシャルプランナーの佐藤です。またまた業務に追われて間があいてしまいました。8回目の今回は、”相続が発生した時にやらなければならないこと”のあらましについて記載いたします。

相続が発生した場合、様々な手続きを、それぞれ定められた期限内に行わなければなりません。主な項目は以下の通りです。

 

1、死亡届の提出・・・7日以内

被相続人の死亡した日、または死亡したことを知った時から7日以内に医師の死亡診断書を添付して、被相続人の本籍地、または亡くなった場所、届出人の住所地のいずれかの市町村の長に提出します。

この死亡届の手続きが終了すると、「火葬許可証(埋葬許可証)」が発行されます。

なお、この手続きは、葬儀社が代行してくれる場合もあります。

 

2、相続人の確定

相続の手続きにおいて、最初にやらなければならないことは、相続人を確定することです。その為には、被相続人の生まれた時から亡くなった時までの、すべての戸籍を取得しなければなりません。

なお、戸籍は本籍地を移転する度に新しく作成されますので、本籍地が記載されているすべての役所から取得する必用があります。

また、この手続きは、凍結された銀行口座から預金を引き出す際にも必用になります。

 

3、遺言書の確認

遺言書は、被相続人の意思を表し、遺産分割にも大きく影響します。

必ずその有無を確認しましょう。

 

4、相続財産の調査・確定

相続財産は、預金や株式、不動産などプラスの財産だけではなく、ローンや未払金などの債務も対象となります。

相続財産を整理・把握する為には、財産目録を作成すると良いでしょう。

 

5、相続放棄、等の手続き・・・3ヶ月以内

相続財産が預金等のプラスの財産より、借金等のマイナスの財産の方が多い場合、そのままでは債務を相続しなければならなくなります。

そのような場合は、相続を放棄することで、プラスの財産も引き継げないかわり、債務を引き継ぐ義務からも免れることができます。

また、限定承認と云って、引き継ぐプラスの財産を限度に、債務を負担する方法もあります。

この相続の放棄や限定承認をする為には、相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申請書類を提出しなければなりませんので注意が必用です。

 

6、準確定申告・・・4ヶ月以内

準確定申告とは、被相続人の亡くなった年の1月1日から、亡くなった日までの所得を申告することです。相続人は、相続があったことを知った日から4ヶ月以内に、この申告をしなければなりません。

 

7、遺産分割協議書の作成

遺言書が無い場合、相続人全員の話し合いの結果に基づいて、遺産分割協議書を作成します。

なお、相続人の中に未成年者がいる場合は、特別代理人の選任を家庭裁判所に申し立てる必用があります。

 

8、相続財産の名義変更

遺産分割協議がまとまれば、相続財産の名義を変更します。

なお、相続財産の名義変更で、最も煩雑なのは不動産です。不動産の名義変更は法務局へ提出します。

 

9、相続税の申告と納付・・・10ヶ月以内

相続財産が各種控除を上回った場合、相続の発生から10ヶ月以内に、申告並びに納付しなければなりません。

 

如何でしょう? 相続に限定した主な項目だけでもこのぐらいあり、各項目の詳細を解説するとなると、それぞれ単独でもこのぐらいの文字数は優に超えてしまいます。

また、その他にも必用な実務手続きはまだまだたくさん存在します。

今回は、おおよそのあらましということでご承知置き下さい。

 

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No.7 注目の任意後見制度について解説します

相続診断士・ファイナンシャルプランナーの佐藤です。業務に追われて少し間があいてしまいましたが、7回目の今回は、最近注目されております「任意後継制度」についてお話しさせていただきます。

 

<任意後見制度の概要>

任意後見制度は、成年後見制度の一つで、対象者が未だ十分な判断能力があるうちに、将来認知症などで判断能力が不十分になる場合に備えて、あらかじめ本人自身が選んだ代理人(任意後見人)に、将来の自分の生活や財産管理などについて、代理権を与える制度です。任意後見人の資格には、法律上の制限はなく、法人を後見人に選任することも、複数の後見人を立てることも可能です。

契約は、契約書に公的な信用力と強制力を持たせるため、公正証書で行います。公正証書は、作成料や印紙代などで費用が約2万円ほどかかります。
また、この任意後見人が、自分の責務をしっかりと果たすかどうかを、家庭裁判所が選任する任意後見監督人が監督します。この監督人が選任されて、初めて契約が発効することになります。
なお、任意後見人は、任意後見契約に定められた法律行為について、代理権を行使することができますが、同意見、取消権はありません。
また、任意後見人は契約により、任意後見監督人は家庭裁判所の決定により、本人の財産から報酬を得ることができます。財産額にもよりますが、合計で月5万円程度が目安とされています。

 

<任意後見制度の手続きの流れ>

任意後見制度を利用する場合、主な手続きは、公証役場での契約と、家庭裁判所での申し立てです。本人が元気なうちに、公証役場で支援する人と支援の内容を決めておいて、本人の判断能力が不十分となったら、家庭裁判所へ、支援する人を後見人とする申し立てをする、という流れになります。以下に、その流れをまとめてみます。

 

          任意後見人を選ぶ(基本的に本人が選ぶ)

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後見人と支援内容を決め、公証役場で公正証書を作成する(司法書士に委託しても可)

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 法務局で後見人と支援者の権限の内容を登記する(登記事項証明書が発行される)

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             本人に痴呆等の症状が発症

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   家庭裁判所に任意後見制度開始の申し立てをする(登記事項証明書を添付)

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 家庭裁判所で適格と判断されれば後見制度が開始、同時に任意後見人監督人を選任

 

<任意後見制度の現状>

任意後見制度への関心は、高齢者の間で着実に高まっています。契約の締結数は、成年後見制度ができた2000年には約800件でしたが、2015年には1万件を突破しました。これは、自分が元気なうちに行く末の心配を減らしておきたい、と思う人が増えているためと考えられます。

 

<任意後見人の役割>

任意後見制度では、原則として、自分が希望する人を後見人に選ぶことができます。さらに、どのように医療や介護を受けたいか、どんな施設に入りたいか、財産をどのように使って欲しいか、といった内容を、細かく契約に盛り込むことが可能です。

このため、今は未だ元気ですが、将来認知症になったら困るので、今のうちに所有しているアパートの管理等について明確にしておきたい、あるいは、医療や介護、施設入所などの面で自分の希望をかなえたい、などといった場合に有効な制度といえるでしょう。

 

<見守り契約>

一方、任意後見の契約を結ぶだけでは、不十分と思われることもあります。例えば、本人と後見人との連絡が途絶えがちになると、不幸にも本人の判断能力が衰えだしたとしても、後見人がそのことに気が付かない懸念も否定できません。

そのようなことを防ぐため、後見人が本人を定期的に訪問し、状況を把握できるよう、別途「見守り契約」を締結することが有効です。

 

<任意後見人に任せられること>

任意後見制度においては、後見人に付与する権限は、契約により本人が自由に選択できますが、以下に一般的な内容についてまとめてみます。

(財産管理)

・土地や建物など、財産の管理、保存、売却

・預金など、金融機関との取引や、保険の契約、保険金の受け取り

・年金や障害給付など、定期収入と公共料金など定期支出の管理

・生活必需品の購入や生活費の送金

・遺産分割や相続の承認、放棄、贈与

・登録済み権利証や実印、銀行印、預金通帳などの保管、使用

・税金の申告、納付、その他行政機関への申請

 

(身上監護)

医療機関への入院や介護施設への入所の契約

・自宅の購入、売却、増改築、修繕

 

<任意後見制度で懸念される事項>

任意後見人は、基本的には誰を選んでもかまいません。ただ、友人を選ぶと、万一不仲になったら大変でしょうし、家族から選ぶ場合は、相続問題と絡んで、人選によっては揉める原因の一つにもなりかねません。また、専門職に依頼する場合は、自分の希望をかなえられるという任意後見制度の最大の利点を活かすためには、何よりも信頼関係が重要になります。そのため、何度も話し合いを重ねてから契約する必要があるでしょう。

なお、財産の流用にも注意が必要です。本人の判断能力が低下しているのに、後見人が家庭裁判所に監督人の選任を申し立てず、本人が元気な時に締結した任意代理契約を悪用して、本人の財産を使い込むことも無いとは言い切れません。

契約発効後の不正は監督人が摘発できますが、契約発効前は、本人も後見人の行動には十分注意しなければなりません。事実、最近は年間1万件前後の任意契約が締結されているのに対し、実際に監督人が選任され、契約が発効しているのは約2,200件程度に留まっている、というデータもあります。この差は、本人が元気なため、と考えるのが一般的ではありますが、必ずしも後見人の不正が含まれていることを、否定できるものでもないからです。

 

既に本人の判断能力が衰えている場合に、家族らが家庭裁判所に申請する「法定後見制度」には、利用者の就業や公的資格などに対する制限が200以上もあり、その利用を躊躇する人が多いのが現実ですが、任意後見制度にはこうした制限がありません。本人が元気なうちから、長所を活かし、問題点も自覚しながら、資産の把握などの準備をしておくことが重要でしょう。

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No.6 税務署から「相続についてのお尋ね」なる文書が郵送されてきたら

相続診断士・ファイナンシャルプランナーの佐藤です。6回目の今回は、税務署から、「相続についてのお尋ね」なる文書が、郵送されてきた場合についてお話しさせていただきます。

相続税の納税は、申告納税制度に基づく自発的な申告が原則ですが、まれに相続発生後数か月経過した頃、あるいは、相続発生後数年が経過した後に、税務署から、「相続についてのお尋ね」なる文書が郵送されてくることがあります。

この文書と共に、相続税の申告書が同封されていることも、同封されていないこともあります。尚、相続が発生した、すべての世帯に送られてくるわけではありません。
税務署には、金融機関から金融資産の保有状況が伝えられます。又、不動産の保有情報は登記情報で確認がとれます。つまり、税務署は、被相続人(故人)の所得に関するデータを把握しており、相続税の課税対象となる可能性が高い世帯をリストアップできるのです。そういう意味においては、税務署が相続税の申告が必要であろうと判断した場合に、郵送されてくると考えて良いでしょう。
とは云っても、相続税の申告が必要か不要かは、そもそも計算してみなければわかりません。税務署と云えどもそれは同様です。記載内容に基づいて相続税を計算し、基礎控除額を超える様であれば、相続税の申告を怠らない様に注意喚起、又は、相続税の申告が漏れている事を指摘しようとしているのです。
従って、例え「相続についてのお尋ね」なる文書が郵送されてきたとしても、計算の結果、相続税の申告が不要であれば、回答を税務署に提出するだけで終了しますし、相続税の申告が必要であれば、申告書を提出すれば良いだけです。
ただ、相続発生後数年経過した後に郵送されてきた場合は、税務署が何らかの情報を把握している可能性が高いと思われますので、注意が必要です。仮に、お尋ねに基づき相続税を計算したところ、実際に申告が必要だったとしたら、申告漏れが故意か過失かを問わず、一定の処分が下されます。
「相続についてのお尋ね」が届いたら、決して曖昧にはせず、相続税に強い税理士などの専門家に相談することも検討に値します。もし、相続税の申告漏れの可能性があるとしても、事前に何らかの対策を講じる事ができるかも知れません。

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No.5 相続の放棄について考える

相続診断士・ファイナンシャルプランナーの佐藤です。
5回目の今回は、相続の放棄についてお話しさせていただきます。

 

相続を放棄する人が増えています。確かに、相続の手続きや相続税の支払いは、大変な労力を伴います。一方で、相続は財産がもらえる価値あることばかりでは、必ずしもなくなってきているのも確かです。

例えば、相続財産の大きな比重を占める不動産の価値にしても、平成2、3年をピークとしてうなぎ上りに上昇した土地の評価は、バブルの崩壊後、下落の一途をたどりました。ここ数年は、都心や大都市の一部地域で、ようやく価格の上昇や、物件が不足する兆しが生じてきているとは云え、必ずしも本格的な回復とは言い難いのが実状です。

有価証券、ゴルフ会員権、変額保険なども同様です。それらの中には、購入時の数分の一の価値に下落したものも珍しくはありません。

バブル期に、これらの資産を余裕資金ではなく、借金で購入した人は、財産ではなく負債だけが残ったと言っても、決して過言ではないかも知れません。相続を放棄する人が増えているのは、こうした現実を裏付けているとも言えるでしょう。

 

相続を放棄するってどういうこと?

 

相続が、財産がもらえる価値あることとは必ずしも言えない以上、その為に大変な労力を強いられるなんてまっぴらだ、と考える人も当然いるでしょう。事実、この様に考え相続を放棄することは、民法でも認められています。

民法では、相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、プラス・マイナスすべての権利・義務をそのまま承継(単純承認)するか、相続によって得られるプラスの財産を限度に、マイナスの財産を承継(限定承認)するか、あるいはプラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がない(相続の放棄)か、いずれかの意思表示をしなければならないと定めており、何の意思表示もしなかった場合や、相続財産の一部でも処分した場合は、単純承認したものとみなされます。

尚、仮に限定承認や相続の放棄をした場合でも、後日、相続財産を例え一部でも秘匿した事が発覚した場合は、原則として単純承認したものとみなされますので注意が必要です。

又、限定承認は、相続人全員が共同で家庭裁判所に申請しなければなりませんが、相続の放棄は各相続人が単独でも申請できます。

 

相続放棄のメリット

 

さて、それでは相続の放棄にはどんなメリットがあるのでしょう。

最大のメリットは、被相続人(亡くなった方)の借金などの債務を受け継ぐ必要がないことでしょう。相続財財産の状況が、預・貯金や有価証券、不動産などのプラスの財産よりも、借金や滞納金などマイナスの財産が多い場合や、借金をしているかどうかわからないが、その恐れがある、と云う場合には、状況に応じて相続放棄をしておいた方が望ましいかも知れません。

又、相続財産の全てを一人、あるいは複数の特定の相続人に相続させるために、他の相続人が辞退する場合にも有効です。尤も、こうした効果は遺産分割協議によっても実現できますので、相続の放棄に特有のメリットとは言えませんが、面倒な相続手続きや、他の相続人との協議そのものが煩わしいと感ずる方には、メリットの一つと云えるでしょう。

 

相続放棄のデメリット

 

一方、メリットだけではなく、当然デメリットも存在します。

まず、生命保険金や死亡退職金の非課税枠の適用を受けられません。

生命保険金や死亡退職金には、「500万円×法定相続人」で算出した金額を限度に、相続税が非課税となる制度があります。相続を放棄すると、生命保険金や死亡退職金を受け取る事はできますが、この非課税枠を利用する事はできなくなります。

又、一度相続を放棄すると、それを撤回する事はできません。さらに、相続を放棄すると云う事は、民法上、その相続に関して初めから相続人でなかったものとみなされることであり、相続を放棄した人の子供への相続の権利の移転(代襲相続)も、認められないことにも注意が必要です。

 

相続を放棄する手続き

 

次に、相続を放棄する手続きについて見てみます。まず、相続人が被相続人(亡くなった方)の住所地を管轄している家庭裁判所に、相続を放棄する旨の申請をしなければなりません。相続人が複数いる場合でも、下記要領で、一人で行う事ができます。

 

相続放棄の手続きに必要な主な書類、要領>

 

相続放棄申請書(家庭裁判所にあります)

・申述人(相続人)の認め印

・申述人(相続人)の戸籍謄本

被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本等

被相続人(亡くなった方)の住民票の除票

収入印紙

・返信用の郵便切手

・申請者 :原則、相続人本人

 *相続人が未成年者の場合は、法定代理人である親が代わりに申請します。

 *親も法定相続人の場合は、特別代理人を選任します。

・申請期限:原則、相続の開始があった事を知った時から3ヶ月以内

 *3ヶ月経過後でも、裁判官が3ヶ月以内に相続放棄の申述をしなかった相当の理由が

  ないと明らかに判断できる場合以外は、申請が認められることもあります。

 

相続の本質を考える

 

相続とは、有形の財産を引き継ぐだけではなく、生き方、考え方、理念、姿勢、信頼、評判など、無形ではあるが、ものすごく価値のある財産を引き継ぐ事でもあると思います。

そうした相続の本質を考えた場合、やはり相続を放棄せざるを得ないと云う事態や、あるいは相続をめぐる相続人通しの争い、いわゆる争相族等は、起こらないにこした事は云うまでもないでしょう。

どうしてこの様な相続をめぐる悲惨なことが起こるのでしょうか? 亡くなった方の資産状況や、意思が見えないことがその大きな理由の一つに思えてなりません。その他にも、いわゆる「家」制度、家督相続の制度が廃止され、結果として核家族化が進展したことにより、家族の人間関係が疎遠になったこと、さらには、離婚や再婚も珍しくはなくなり、家族の関係が複雑化したこと、等々が指摘できます。

一方で不景気が強く影響し、余計な負債は背負いたくないが、もらえるものは少しでも多くもらいたい、と云った風潮が強まったことも否定できません。

こうした世相であるからこそ、私たちは相続問題をタブー視せず、生前に、もっと関係者間で良く話し合っておくべきと思います。折に触れ家族会議を開催したり、エンディングノートを記載し、大切な家族の為に残して置くことも、その有効な手段の一つと云えるでしょう。

 

まとめ

 

相続が生じると、そのままでは預・貯金や有価証券、不動産などのプラスの財産だけではなく、借金や滞納金などのマイナスの財産も、相続人に自動的に引き継がれることになります。仮にプラスの財産よりもマイナスの財産が多かった場合、例え相続人が全く知らない借金だったとしても、法律上、相続人は自動的に支払い義務を負わされてしまいます。

しかし、たとえ親族が残したものであっても、自分の借金でもないものを、法律上、問答無用で背負わされるというのではあまりにも理不尽です。そこで、自分は相続に一切関わりたくないという方の為に、「相続の放棄」という相続を拒否できる制度が用意されているのです。

しかし、相続を放棄すると云う事は、初めから相続人でなかったものとみなされる事であり、メリットだけではなく、当然デメリットもあります。状況によっては、相続の放棄を検討せざるを得ない事はもちろんですが、私たちは普段から、もっと相続というものの本質を考えて置く事が重要ではないでしょうか?

 

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No.4 地域により異なる葬儀事情

相続診断士・ファイナンシャルプランナーの佐藤です。
4回目の今回は、地域の葬儀事情を中心に紹介させていただきます。

 

通夜、葬儀、告別式の違い

そもそも皆さんは、通夜、葬儀、告別式の違いをご存じでしょうか?

本来、通夜とは遺族や近親者、親友などが遺体と一晩だけ生前と同じ様に過ごし、故人を慰める為の、云わば私的なお別れ会の様なもので、線香や蝋燭の火を一晩中絶やさないのが慣例です。
一方、葬儀は故人の成仏を祈る儀式、平たく言えば、霊魂がこの世に未練を残して彷徨い歩かない様に、あの世に送り届ける為の宗教儀礼の事です。
又、告別式とは、故人の霊との最後の別れを告げる儀式の事を云います。
以上の意味合いから、通夜や葬儀には遺族や近親者、特別親しかった友人・知人などの縁故者が参列し、近隣の住人など一般の人は告別式だけに出席するのが習わしでした。反面、通夜に参加する程故人と親しい人ならば、葬儀にも告別式にも出席するのが当然の儀礼でした。
しかし、現在では焼香して故人の成仏を祈り、偲び、お別れする儀式と云う意味では皆同じと云う事で、ほとんど区別をしなくなってきており、通夜、葬儀、告別式のいずれかに出席すれば、他には出席しなくても失礼には当たらない、さらに、新聞の物故者欄等で「葬儀・告別式」と一括りで表現される様に、この両者は今ではほとんど同じ儀式と云う慣行が常識化してきています。

 

首都圏における葬儀事情

それではまず、首都圏での葬儀事情を見てみましょう。

現在では大多数の方が病院で亡くなる事が多く、葬儀社の手により、遺体は自宅、又は、葬儀社の提供する遺体安置所に搬送されます。前者の場合はそのまま通夜となるのが一般的ですが、後者の場合は斎場の予約が取れる迄安置所に保存され、火葬の前日の晩にやはり葬儀社の施設でそのまま通夜を行う例も多くなってきています。

そして通夜が明けると葬儀・告別式、さらに初七日の法要まで兼ねる例が多く、その後斎場に向かい火葬、再び葬儀社の施設に戻って精進落としの会食となり、個人の霊が自宅に戻れるのは遺骨になってからと云う例が多くなっています。

 

北日本等に見られる葬儀事情

一方、北日本等においては事情が少し異なります。

仮に病院で亡くなったとしても、ほとんどの場合遺体は自宅に搬送され、そのまま通夜となります。尤もこれは、戸建ての持ち家が大半であり、且つ、葬儀場が首都圏程過密ではないと云う事情にもよりますが、異なるのはこの後の儀式の順番です。通夜の翌朝、葬儀・告別式の前の一定の時間帯に、近隣住民、親しい友人、知人等の区別なく、焼香を受け入れます。と云うのは、葬儀の前に出棺してしまい、火葬の後、拾骨をしてから葬儀・告別式を行うのが慣習であり、葬儀・告別式の場では、もはや遺体との対面がかなわないからです。

かつてはドライアイス等もなく、遺体の腐敗を考慮しての措置だったのでしょうが、首都圏よりも北国でこういう順番の慣習が残っていると云う事実は一考に値すると思います。その後、葬儀・告別式、初七日の儀式を兼ね、精進落としの会食となる所は変わりません。

 

色濃く残る相互扶助の慣習

又、この地方(他の地域でも同様の例は多いと思いますが…)では、相互扶助の慣習が未だ色濃く残っています。

所属する町内会等の住民組織で、前述した通夜の後に焼香を受け入れる時間帯や、香典の金額、さらにはお返し不要の取り決め、等々、様々な相互扶助のルールが制度化され、又、地域の、あるいは一族の長老的な立場の物知りが、遺族に代わって親戚への連絡はもちろん、葬儀の段取り一切を仕切ってくれます。

儀礼に必要な葬具も住民組織で共有し、自宅で葬儀を営むスペースが無い場合は公民館等を活用し、近所の主婦が無償で参列者に供する料理を持参、又はその調理に協力、さらには老人会等、様々な住民組織を総動員して、葬儀の受付から一定数の供花の手配、弔辞を述べる担当の選任、等々、住民組織に加入してさえいれば、誰でも相応の葬祭儀礼を安価に催す事を可能ならしめています。凡そ現在の葬儀社が果たしている機能のほとんど、あるいはそれ以上の事を無償で代行してくれているのです。

 

葬送事情の実状

こうした地域共同体的なコミュニティー機能を、得難いものと感ずるか、逆に煩わしいと感じるかは、人それぞれと思います。

現実問題として、核家族社会の進展と共に、相互扶助的なコミュニティー機能が失われて久しい都市部を中心に、今や葬送産業の市場規模は2兆円とも云われ、葬儀社や互助会に留まらず、生命保険や流通業、生協やJA等々、異業種からも続々と参入がなされています。

葬送事情の現状に対し、費用やパッケージ化された葬儀への遺族の疑問、あるいは自分の死後の事まで親族の手を煩わしたくない、世間体よりも、自分の価値観に基づく自分らしい葬儀で見送られたい…、と云った本人の生前の意思が強調される風潮がある反面、遺族は悲しみの中で混乱しないで済み、専門家のペースで葬送儀礼が行われる事から、一時とは云え悲しみを忘れられたり諦めたりでき、有益であるとする見方もあります。

 

生前に自身の意思をしっかりと関係者に伝える事が重要!

いずれにしろ、死や葬儀の問題をタブー視せず、生前に自身の意思をしっかりと関係者に伝えておく事が、やはり最も重要であると思います。

葬儀や相続は、誰にでも必ず訪れます。場合によっては、生前に信頼できる葬儀業者と自身が納得できる段取りを取り決めして置く事も可能であり、活用方法の如何によっては、葬儀社等がかつての地域共同体的なコミュニティー機能を代替してくれる事にもなり得ます。自身の為にも遺族の為にも、それが最善と云えるのではないでしょうか?

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相続診断士 ファイナンシャルプランナー BPOプランナー
 共生プランニング代表 佐藤 喜三男
<業務領域>
 相続診断・対策、ライフプランニング等、資産・生活設計全般のサポート
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No.3 家族の心痛を和らげる為、生前に自分の想いを伝えよう!

相続診断士・ファイナンシャルプランナーの佐藤です。
3回目の今回からは、生前から関係者間で良く話し合って置く事の重要性について、私自身の体験を通した事例を基に、一つ一つお話しさせていただきたいと思います。
2回目の投稿でも、延命治療に対する判断を強いられる事の心痛について記載しました。繰り返しになりますが、大切な家族の延命を願わない親族は一人もおりません。しかしながら、本人にとってさえ、それが必ずしも最善とは云えない場合もあるのです。そんな中で、辞退を含めた結論を下さざるを得ない心境を想像してみて下さい。それは悲痛と云っても決して過言ではありません。
しかし、もしも元気な折に、本人の意思が明確に示されていたとしたらどうでしょう? 親族の心の負担はずいぶん緩和される筈です。
又、死に際して遺体の移動手段に対し即断を求められる戸惑い、万一病院の斡旋する葬儀業者に委託した場合、後日、様々な問題を生じさせる発端になりかねない事についても記載しました。この問題について少し補足したいと思います。
一般的に、遺体の移動を自身で行う事は困難ですから、やはり葬儀業者に委託せざるを得ない事になります。
病院は、通常複数の斡旋葬儀業者を抱えており、このお抱え葬儀業者から少なからぬキックバックが病院に対して支払われている様です。当然にしてそれは葬儀費用に加算される事になります。
一方、葬儀業者に遺体の移動を委託すると云う事は、通常その後の葬儀全般についても、委託した葬儀業者に任せる(義務ではありませんが…)のが一般的です。
この葬儀業者が、住居に近い所に葬儀会館等を保有していれば未だ良いのですが、必ずしもそうとは云えません。最初は近くの病院に入院したとしても、病状によってはその病院では対応できず、遠隔地のより高度な医療が可能な病院へ転院となるケースもあります。
病院が斡旋する葬儀業者は、その病院付近をエリアにしている事が多く、これはその後の葬儀等一連の手続きを考えますと、時間的にも費用的にも余計な負担を増やしかねません。
又、その後に控える葬儀業者との打ち合わせにも注意が必要です。葬儀業者は、**万円コースと云った葬儀のパックを提示する事が多く、一見これは割安にも思えるのですが、このパック料金と実際の葬儀費用に雲泥の差があるのはもはや常識です。
料理、返礼品、葬儀場に集まる親族の布団代、供花、高張提灯、家紋水引幕、回転灯篭、等々、いわゆる別注と呼ばれる追加料金です。中には、哀悼貢献者(葬儀業者の担当者の助手)やガードマンの費用と云ったものまで請求される事もあり、追加費用の方がパック料金の倍以上と云う事すら決して珍しくはありません。
肉親を失って動転している時に、百戦錬磨の葬儀業者から「故人の為にも…」とか、「よそさまでは…」などと持ちかけられたら、世間体も有りとても太刀打ちできるものではありません。

しかし、この問題にしても、故人の生前に本人の意思をしっかり確認できてさえいればどんなに救われる事でしょう。場合によっては、生前に信頼できる葬儀業者と自身で納得できる内容で取り決めをして置く事すら可能な訳です。

正に、”相続は人生最後の大仕事、想いを伝える事は人の義務”であると思います。
今回はこの辺で…。次回は本題を少し離れ、地域による葬儀事情について参考迄ご紹介したいと思います。

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