相続診断士の部屋

私たち相続診断士は、争う相族を減らし、円満な相続を普及する活動を実施しています。相続問題をタブー視せず、生前に家族で十分話し合い、円満に後世に想いを引き継いでいく社会創りのお手伝いをしています。その有効な方法の一つとして、笑顔相続ノートを推奨しています。

No.10「 終活」について想うこと その1…エンディングノートから始めよう!


相続診断士・ファイナンシャルプランナーの佐藤です。10回目の今回は、「終活」をテーマに、その第一段階とも云えるエンディングノートについて記載します。

 

「終活」と云う言葉を最近良く耳にする様になりました。戦後社会をリードしてきた団塊の世代が、自らの死を意識する年齢になったこと、未曾有の犠牲者を出した東日本大震災などの悲惨な自然災害に遭遇し、人世の無常を強く意識する人が増えたこと、あるいは、核家族化の進展による少子高齢化の常態化、年金破綻への危惧、地域コミュニティの崩壊、所得格差の拡大、介護難民の増大、等々、解決が困難な社会問題の山積、無縁社会孤独死と云った、現代社会のひずみとも云える社会現象が、その背景にあるのかも知れません。

 

終活とはいったいどう云う意味なのでしょう? 何やらその文字面からは、どちらかと云えば明るいとは言い難い、後ろ向きのイメージを覚える人も少なくないのではないでしょうか。「まだまだ元気なのに、死ぬ事の為の準備だなんて…」、と、否定的な感情をいだく人もおられるかも知れません。確かに、人生の最期に向けて、自身で準備を行う活動、と云う様に捉えると、悲壮感すら覚えてもおかしくない様な気もします。

一方で、葬祭に対する考え方の変化から注目する方もおられます。あるいは、家族構成や、そのあり方が変わってきたことから、残された家族が困らないようにとの配慮や、墓の承継の困難さから注目する方もおられます。

この様な観点から捉える方々には、終活と云う行為は、残される遺族への配慮だけではなく、自分自身の気持ちの整理もつけられる、さらに云えば、自分自身の今を整理することで、残りの人生をどの様に生きたら良いのか見つめ直す重要なきっかけにもなる、と考える方も多い様です。

この様に考えることができるならば、「終活」は、決して後ろ向きで暗く縁起の悪い行為ではなく、寧ろ、生き生きと充実した余生を送るための活動、と捉える事もできるのではないでしょうか。この事に気付いた方々が、終活と云う行為を前向きに捉え、積極的に取り組み始めたと云う事実も、昨今の終活ブームの真相の一つかも知れません。

 

それでは、終活の準備はいったいいつから始めたら良いのでしょう? 結論を先に云えば、終活を始めるのに適切な時期と云うものはありません。強いて云うなら、思い立った時こそ、その絶好のタイミングと云って良いでしょう。

おおよそ半数の方が、終活をしたいという意思を持つ反面、実際に終活を行っている人は、その数パーセントに過ぎないとも聞きます。つまり、終活は大半の人にとって、必ずしも至急やらなければならないことではありませんので、ついつい先送りしているのが現状でもあるのです。

とは云え、不幸がいつどのように訪れるかは誰にも分かりません。病気などの場合は、ある程度最期を予測することもできなくはないでしょうが、 肝心の体力や気力、あるいは知力が衰えてしまってからでは元も子もありません。現実に、先送りを続けた結果、結局何の準備もできていない状態で、その瞬間が訪れてしまったということも、決して珍しくはないのです。

死は、事故や急病で突然訪れることも有ります。一方、終活の項目は多岐に渡りますので、とても短期間で完成させることはできません。終活を義務のように考えるのではなく、気楽な気持ちで、思い立った時に少しずつ取り組むのが良いと思います。

それでも先送りしてしまうと云う人は、定年退職時など、人生の一つの節目に照準を定めることにより、敢えて自分を律することで取り組んでみては如何でしょうか。

仕事からリタイアしたことにより、ライフスタイルが大きく変わり、することがなくなってしまったと悩む人も少なくありません。一方で、終活の項目の中には、想像以上に手間や時間がかかるものもあります。そういう意味においては、プライベートの時間が増えてから始めることにより、一石二鳥の効果を見込めると云っても良いかも知れません。

 

では、終活とは具体的にどんな準備をするのでしょう。終活でやるべきことは人によっても変わってきますが、大まかには「エンディングノートを書く」「葬儀の生前準備をする」「荷物を生前に整理する」と云ったところが一般的ではないかと思います。

自分にとって大切なことは何か、何を優先してやるべきかと云うことは、物事をきちんと整理してからでなければわかりません。 そういった意味からも、まずはエンディングノートを書きながら整理してみては如何でしょう。

エンディングノートには、無料でダウンロードできるものから、葬儀業者等が無償で配布しているもの、書店等で販売しているもの、など様々な種類がありますが、概ね、「自分に関する事」「伝えたいメッセージ」「相続に関する事」の3部構成になっており、最後に家族や友人、知人についての想いを残すものが多い様です。その代表的な項目をご紹介します。

 

1、自分に関する事

・自分について…名前、血液型、誕生日、千子、星座、本籍地、家系図

・出生について…生まれた場所、病院の名称、名前の由来、備考

・幼少期…保育園~幼稚園の名称、思い出やエピソード

・学生時代…小学校~最終卒業校の名称、各入学年月・卒業年月、思い出やエピソード

・社会に出てから…就業先の名称、就業年月・退職年月、思い出やエピソード

 

2、伝えたいメッセージ

・介護について…誰に介護をして欲しいか、どこで介護をして欲しいか、費用の手当

・後見について…後見人の希望、費用の手当

・医療について…病名告知、余命告知、延命治療、臓器提供、献体、などの意思

・遺言について…作成の有無や保管場所、委託先

・葬儀について

 生前予約や生前契約の有無、葬儀形式、呼びたい人、宗旨、供花、棺に入れて欲しい品、戒名…の希望、家紋、費用の手当

・お墓、仏壇について…生前準備の有無、希望、費用の手当

 

3、相続に関する事

・財産について

 預貯金:金融機関名、支店名、種類、金額、受取人

 有価証券:種類、銘柄、証券番号等、受取人、債権:種類、債務者、債権額、受取人

 不動産 :所在、地番家屋番号、耳目/用途、地積/床面積、受取人

 負債  :債権者、弁済期、債務額、証書の有無、引受人

 保険  :保険会社、種類、満期、保険金額、担当者、受取人

 その他 :ゴルフ会員権、美術品、車などの詳細、価値、受取人

・受取人一覧…名前、続柄、連絡先、備考

 

4、残したい想い

・配偶者、子供、お孫さん、ご友人、お世話になった方々への感謝の気持ち、伝えたい想い

 

以上の様に、エンディングノートには、終活で行うべき項目がほぼ網羅され、書きやすいように整理されています。又、死後、相続の手続きに必要な情報がたくさんある為、これらをまとめて置くことで、残された家族の相続の手続きに関する負担は大幅に軽減されます。

それだけではなく、エンディングノートには終活のモチベーションをあげてくれる効果もあります。書き進めていると、自然と「活力」が湧き出てきて、終活を前向きに捉えることができるようになることに気付くでしょう。

ただし、エンディングノートには遺言書のような法的な拘束力はありません。あくまでも本人の希望や、残される家族に向けての備忘録、の様な扱いであることに注意して下さい。

 

*次回は、終活の第二段階である「葬儀の生前準備」について記載する予定です。

 

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